FXを始めたばかりの頃、「ここで反発するはず!」と思って逆張りをしたら、そのまま価格が突き抜けて損切り…という経験はありませんか?
これは多くの初心者が通る道です。
そんな失敗を減らすために役立つのがボリンジャーバンドです。
ボリンジャーバンドは、相場の勢い(ボラティリティ)や転換の兆しを、ローソク足と統計的な確率から読み取れる便利な指標です。
ただし、使い方を間違えると「この形だから反発するだろう」という思い込みで損失を拡大させてしまうこともあります。
この記事では、ボリンジャーバンドの基本構造から、スクイーズ・エクスパンションの見極め方、初心者がやってはいけない逆張りパターンまで、実例を交えて解説します。
これを読めば、感覚頼りのトレードから脱却し、根拠を持ったエントリーができるようになるはずです。
ボリンジャーバンドの基本知識
ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドは、移動平均線(MA)を基準に、その上下に「標準偏差(σ)」という値を加えて描かれたバンドです。標準偏差とは「価格が平均からどの程度離れているか」を示す数字で、このバンドによって相場の振れ幅や勢いが視覚的に分かります。
初心者向けポイント
• 真ん中の線=ミドルライン(20日移動平均線)が基準
• 上下のバンドの距離=値動きの大きさ
• バンドが広がるときはトレンド発生の可能性大
• バンドが縮まるときは相場が停滞中
ミドルラインの役割
ミドルラインは単なる移動平均線ではなく、相場の方向性を見極める重要な軸になります。
• ミドルラインより上 → 上昇傾向(買い優勢)
• ミドルラインより下 → 下落傾向(売り優勢)
• サポートやレジスタンスとして意識されやすい
▪️具体例
ドル円がミドルラインの上を推移し、押し目でミドルラインにタッチした後に再び上昇する場面は典型的な押し目買いパターンです。逆に下で推移し、戻りでミドルラインに抑えられて下落するのは戻り売りの形です。
ボリンジャーバンドの構造と確率
各バンドの意味と確率
ボリンジャーバンドの上下には1σ・2σ・3σがあり、それぞれ価格がその範囲に収まる確率が統計的に決まっています。
• 1σ:価格が収まる確率68.3%(日常的な値動き)
• 2σ:価格が収まる確率95.4%(やや大きな動き)
• 3σ:価格が収まる確率99.7%(かなり珍しい動き)
▪️初心者がやりがちな勘違い
「2σまで行ったら反発する」と考えるのは危険です。
強いトレンド中は2σを突き抜けたまま進み続ける(バンドウォーク)ことが多く、そのまま逆張りすると損切りに直結します。
スクイーズとエクスパンション
スクイーズとは?
バンド幅が狭まる現象で、相場が落ち着いている(レンジ状態)のサインです。
市場参加者が様子見をしている状況で起こりやすく、この後どちらかに大きく動く可能性があります。
エクスパンションとは?
バンド幅が急激に広がる現象で、トレンドが始まったサインです。
価格が一方向に強く動いているため、順張りが有効になります。
バンドウォークの特徴と注意点
バンドウォークとは?
ローソク足が2σまたはその外側に沿って連続して動く現象。
非常に強いトレンドが出ている証拠です。
逆張りが危険な理由
バンドウォーク中は「そろそろ反発」と思ってもそのまま進み続けることが多く、損失が拡大します。
初心者はこの状況で逆張りを避けるのが鉄則です。
ミドルラインを使ったトレンド判断
レジサポとしてのミドルライン
• 上昇中 → ミドルラインがサポートとして機能
• 下落中 → ミドルラインがレジスタンスとして機能
実践的な活用法
短期足だけでなく日足や週足のミドルラインも確認することで、トレンド方向の信頼性が上がります。
短期での逆張りも、大きな時間足の方向に沿えば勝率が上がります。
トレンドの強さを見極める方法
2σタッチ確定
ローソク足が2σにタッチして確定すると、その方向にトレンドが発生している可能性が高まります。
スクイーズからのエクスパンション
スクイーズが終わってバンドが広がり始めた瞬間は順張りの絶好のチャンスです。
このときは、移動平均線の傾きもチェックして方向性を確認します。
初心者が避けるべき逆張りパターン
危険なケース
• エクスパンション中
• バンドウォーク中
• エクスパンション+三角保ち合いブレイク後
これらは反発がないまま踏み上げられやすく、損失の原因になります。
まとめ
ボリンジャーバンドは、「スクイーズ → エクスパンション」という相場のリズムを読み解くことで、勝率を高められるツールです。
しかし確率やバンドの形だけを根拠に逆張りするという危険なトレード方法も存在します。
環境認識をまずは行い、逆張りをして本当に問題ないのか、トレンドが続く場合の損切りはどのように設定をするのかのシナリオを構築してから実践をすることが大切です。